2025.04.29/五千尺ホテル上高地/五千尺ホテル上高地
標高×情熱が生む、長野県産ワインの魅力──ソムリエが解説
「長野県産ワイン」の秘密 高山村のワイナリーの舞台裏
こんにちは。五千尺ホテル上高地、ソムリエチームです。
私たちは、県内外のワイナリーを訪問して新しい発見や、とっておきのワインを探す旅に出かけます。
今回向かったのは近年注目度がぐんぐん高まっている長野県「高山村」。
未来の五千尺ホテル上高地のワインリストに並ぶ逸品を求め、実際に生産者の方々と語り合い、それぞれのワインに詰まった想いを直接感じてきました。
目次
なぜ五千尺ホテルのソムリエは現地に足を運ぶのか
五千尺ホテル上高地では、冬季休業期間だからこそ生まれる“時間”を有効に使い、こうしてワイナリーや生産者の方々と直接コミュニケーションを図っています。
- テロワールの理解
実際に畑から醸造所まで見学することで、土壌や気候、標高、日照条件などがワインの味わいにどう影響するのかをじっくり学べます。 - 作り手の想い
ラベルだけでは分からない、オーナーや醸造家の熱い情熱や背景ストーリーを伺うことで、ワインをさらに深く理解できます。 - 体験の共有
見て、聞いて、味わって感じたことを、お客様にそのままお伝えできるようになるのが最大の魅力。ソムリエとして、ただの“知識”ではなく“体験”をもとにしたご案内ができるようになります。
高山村ワイナリー巡りのきっかけ
長野県産ワインのラインナップ強化は、五千尺ホテル上高地が力を入れている重要なテーマのひとつ。
標高差による多彩な気候や良質な土壌を活かし、高山村ならではの世界観が詰まったワインが増えていると聞き、ぜひとも訪れたいと思ったのが始まりです。
特に近年は新規ワイナリーが急増し、それぞれが魅力的なワインを送り出しています。
私たちは「実際にその土地を見て、ブドウの息吹を肌で感じ、生産者の情熱に触れることこそ、お客様に最高の一杯をお届けする最初のステップ」と考えています。
高山村ならではの“多様性”と“独自性”
高山村は標高400~2,200mまで変化に富んだ地形と、長い日照時間、少ない降水量が特徴です。
ワイナリーの畑の標高は、約400mから850mの間に点在。同じ村内でも冷涼なエリアと温暖なエリアが混在しており、それがワインに驚くほどの個性をもたらします。
たとえば、
- 高い標高で造られるワインは酸味やミネラル感がキリッと際立つスタイル
- より温暖なエリアで造られるワインは、ふくよかな果実味やボリューム感を感じるタイプ
「ひとつの地域でこんなに味わいが違うのか!」と驚きの連続でした。
まさにこれこそ“高山村ならでは”。次のステイでお客様にこの多様性を感じていただける日が、私たちソムリエも待ち遠しいです。
個性あふれる3ワイナリー巡り
今回訪問した3軒のワイナリーは、どれもアプローチやスタイルが異なり、とても魅力的でした。
ワイナリー同士が互いに刺激し合い、より良いワイン造りを追求している姿勢が伝わってきます。
カンティーナ・リエゾー

高山村のワイナリー カンティーナ・リエゾーの醸造所
高山村最初のワイナリーということもあり、昔ながらの手作業を大切にした“温もり”にあふれています。
オーナーご夫婦のイタリア留学経験が活きたドルチェットやアリアニコにも挑戦中。口に含むと、どこか家庭的で、心がほっこりするような味わいが伝わってきます。
VINIQROBE(ヴィニクローブ)

高山村のワイナリー ヴィニクローブの窓から
洗練されたデザイン空間と、ピノ・ノワールへの並々ならぬ情熱が光る注目のワイナリー。
建物に一歩足を踏み入れると、まるで美術館のような雰囲気です。
作り手のこだわりが凝縮されたワインは、繊細でエレガント。大切な方との特別なディナーで開けたら、きっと忘れられない一杯になるはず。
信州たかやまワイナリー

高山村のワイナリー たかやまワイナリーの醸造所
13軒の農家が協力して運営し、多様なブドウをブレンドすることで生まれる「バランスの良さ」が魅力。
醸造所は清潔そのもので、細菌や虫の混入リスクをしっかり抑えて造られるワインは、クリアで飲み疲れないテイストが印象的でした。
食事と合わせるなら、当ホテル自慢のフレンチとも絶妙にマッチしそうです。
次回のステイは「高山村ワイン」をおともに
これからの五千尺ホテル上高地では、高山村をはじめとした長野県内のワインリストをますます充実させる予定です。
ディナータイムにはぜひ、今回巡り合ったこだわりのワインをお楽しみください。
お料理とのマリアージュを提案いたします
フレンチコースや信州産の食材を使用したお料理には、どのワインがぴったりなのか――。私たちソムリエが、お客様のお好みやシーンに合わせて最適な1本をご提案いたします。
“物語のあるワイン”を味わって
ひとくちに「長野県産」といっても、個性や造り手の思いはさまざま。ぜひグラスを傾けながら、その舞台裏に思いを馳せてみてください。「このワイナリーはこんな人たちが、こんなふうに造っているワインなんですよ」といったお話は、テーブルを華やかに彩ってくれます。
おわりに
今回、高山村のワイナリーを巡り歩いたことで見えてきたのは、一人ひとり、一軒一軒に息づく情熱と、自然が育む恵みの相乗効果でした。
上高地では、私たちはこの経験を大切にしながら、お客様へ最高のワイン体験をお届けしたいと思っています。
次回、五千尺ホテル上高地へお越しの際は、ぜひ「高山村ワイン」や長野県産ワインをご賞味ください。ワインを交えた素敵なひとときとともに、上高地での思い出がさらに深まりますように――。私たちソムリエ一同、心よりお待ち申し上げております。