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上高地の宿泊なら五千尺ホテル上高地 - 河童橋すぐ横で観光・散策にも好アクセス

上高地で味わう日本酒・ワイン・焼酎の極み旅――五千尺ホテル『A Taste of Japan Spirits』

A Taste of Japan Spirits with GOSENJAKU 日本の酒

2025年6月14日(土)開催 五千尺ホテル上高地2025最初のスペシャルディナー

北アルプスの雪解け水がせせらぎとなる初夏の上高地。
五千尺ホテル上高地では、一夜限りのディナー“A Taste of Japan Spirits with GOSENJAKU”を開催しました。テーマは「日本の酒と五千尺キュイジーヌ」。
本稿では、イベントで提供したお酒とお料理をご紹介します。

上高地の大自然で味わう“日本の酒”ペアリング体験

古来より日本では、日本酒や焼酎といった独自の酒文化が発展してきました。
近年では、日本人の匠の技が生み出す日本ワインがその魅力と品質の高さで世界中から注目を集めています。
上高地は日本を代表する山岳リゾートとして年間を通して多くの訪問客を迎え、その美しい自然と静けさが多くの旅行者の心を捉えています。
今回のスペシャルディナーでは上高地の美しい景観を背景に日本ワイン、日本酒、焼酎の最高峰を楽しむ贅沢なひとときをお楽しみいただきました。

日本の酒 7種と小浜料理長のペアリング

日本の酒 スペシャルディナー 小浜料理長

今回のスペシャルディナーでは、全7種の日本の酒をお楽しみいただきました。
それぞれのお酒には、この日のために小浜料理長が考案したペアリングメニューをご紹介します。

前半4皿&4杯──“水と森”が導く序章


グレイス ブランドブラン エクストラブリュット 2016

創業1923年、日本固有品種〈甲州〉のポテンシャルを世界に知らしめたグレイスワイン。このブランドブランはシャルドネ100%、全房圧搾、フレンチオーク発酵、84ヵ月もの瓶内熟成が生む極上の泡。

ブランドブランのレモンイエローの輝きときめ細かな泡立ちを眺めながら、梓川のせせらぎに耳を澄ませ、グラスからはレモンピール、青リンゴ、焼き立てブリオッシュの香りが立ち上り、瓶内熟成84ヵ月が生んだアンバー色の蜜香が寄り添います。

A Taste of Japan Spirits with GOSENJAKU アミューズ

■料理■ カラスミとアプリコットバターのタルトレット/稚鮎のそば粉フリット/ウニとイクラのポレンタ

料理長が用意した3種の一口アミューズは、塩味(カラスミ)、苦味(稚鮎)、旨味(ウニとイクラ)という異なる個性をミクロのバランスで構成しました。シャルドネ由来の凛とした酸と瓶熟由来のトースト香が、その多彩な味覚を一本の糸で貫き、泡のクリーミーな舌触りが余韻をすっと引き上げます。まさに「食中酒として楽しめる日本ワイン」というグレイスの哲学を体感していただくスターターです。


カーブドッチ アルバリーニョ ルノー

海と砂に囲まれた“新潟ワインコースト”の先駆。スペイン品種アルバリーニョを日本で最初に本格栽培・醸造した掛川史人氏が、山形と新潟のブドウをブレンドし、“北(ルノー)”のテロワール解釈を提示します。桃や柑橘、潮風のミネラル感が特徴です。

A Taste of Japan Spirits with GOSENJAKU 前菜
■料理■ アジのグリエ 胡桃味噌 長谷川農園のマッシュルーム
炭火でグリエしたアジの皮目は香ばしく、脂の乗った身には信州味噌に胡桃を合わせたナッティなソースを塗り重ねています。付け合わせには長谷川農園の有機マッシュルームをローストし、森の香りと土の旨味をプラスしました。
これに寄り添うのが、アルバリーニョ ルノー。桃・アプリコットの核果香、林檎の蜜、爽快な柑橘、そして新潟ワインコースト特有の潮っぽいミネラリティ。それらがアジの旨脂と胡桃味噌の濃厚さをライトアップし、マッシュルームのアーシーさを清々しい酸で切り返します。飲み込んだ後に残る“潮風”のような余韻が、梓川の湿気を帯びた空気感と呼応し、ここ上高地だからこその一体感を生み出します。


八丈興発「麦冠 情け嶋」ハイボールスタイル

1854年、流人・丹宗庄右衛門が島にもたらした焼酎文化を礎に、1947年創業。“島民の情け”を象徴する情け嶋ブランドの最高峰が〈麦冠〉。常圧蒸留が引き出す麦の甘香とビターキャラメル、火山灰土壌が育むミネラル感が魅力です。

A Taste of Japan Spirits with GOSENJAKU 前菜
■料理■ 剣先イカ 夏みかんのラビゴットソース
3皿目は“海と柑橘”をテーマにした軽やかな前菜。剣先イカはサッと湯引きし、甘みを閉じ込め、刻んだ夏みかんと香味野菜を効かせたラビゴットソースでマリネしました。酸味とほろ苦さ、海の旨味が交差する一皿です。
合わせる麦冠 情け嶋は、常圧蒸留ならではのロースト麦、ビターキャラメル、アーモンドの香ばしさに、八丈島の潮風と火山灰土壌由来のミネラルが共存する、骨太でありながら瑞々しい焼酎。今回はソーダ割で提供し、泡が持つ清涼感とイカの甘み、夏みかんのビターが重なり合う“島ハイボール”としてお楽しみいただきます。
麦の甘みと苦味が、イカの旨味と夏みかんの柑橘オイルを包み込み、ソーダの発泡が口中をリセット。島焼酎が持つ懐の深さと、テロワールを背負った個性が、ここ上高地で意外な化学反応を起こします。


甍酒造「銀紅」無濾過生原酒

2024年、北アルプス麓で産声を上げた日本一若い酒蔵。“硬度7”の超軟水と地元一等米が織り成すクリスタルのような透明感に、無濾過生原酒ならではのガス感とジューシーな米の旨味を閉じ込めています。

A Taste of Japan Spirits with GOSENJAKU 前菜
■料理■ リードヴォーのムニエル 牡丹エビのコンフィ 春菊のソース
前半の締めくくりには、仔牛の胸腺=リードヴォーのムニエル。バターで香り高く焼き上げた後、牡丹エビの低温コンフィを重ね、春菊のほろ苦いグリーンソースで統合しました。海と山、動物性と植物性、脂と苦味――多層的な味覚を一皿に凝縮しています。
そこへ注がれる「銀紅」は、グラスから立ち上る林檎や白桃のフルーティな香り、口に含んだ瞬間に感じる微細な発泡、超軟水仕込みゆえのとろりとした口当たり、そして米のピュアな甘みとキレの良い酸……。リードヴォーとバターのリッチさをふわりと持ち上げ、牡丹エビの甘みと春菊の苦味を“銀”の透明感と“紅”の柔らかさで包み込みます。
まだ若い蔵ゆえ、毎年味わいが進化する可能性を秘めた銀紅ですが、本日は蔵元が「今この瞬間こそがピーク」と判断したロットを特別に直送。無濾過生原酒ならではの生命力が、皿上の多層的な要素を躍動させ、前半4皿をドラマチックに締めくくります。


後半3皿&3杯──クライマックスへ

安心院葡萄酒工房「安心院ワイン シャルドネリザーブ 2023」

大分県安心院町が育む完全手摘みブドウ、新樽100%発酵・熟成という挑戦的手法によるスペシャル・キュヴェ。黄金色の液体が放つパイナップル、マンゴー、白桃のトロピカルな香りと、バニラやトーストの甘香。口に含むとリッチな質感の中に、九州らしさを思わせる温暖な果実味と、丘陵地由来のミネラルが走ります。

A Taste of Japan Spirits with GOSENJAKU 魚
■料理■ ホッケのポワレ しらすとエスカルゴバターのソース/青大根のエチュベ
ホッケというと居酒屋の開き焼きを連想される方も多いかもしれません。しかし今回料理長が選んだのは、脂乗りが絶妙な北海道産の“生”ホッケ。皮目をカリッとポワレし、身はしっとりと火入れしています。ソースには長崎産しらすの旨味とエスカルゴバターのコクを合わせ、磯とハーブ、バターの芳醇さを一体化させました。付け合わせの青大根は、あえてアルデンテに火を通し、瑞々しい辛味をアクセントに。

ここで鍵となるのが「バター&甲殻&ミネラル」の相乗効果。ホッケの脂とエスカルゴバターのナッティなコクが、シャルドネの新樽由来のトースト香と見事に重なり合い、しらすの塩気とワインの伸びやかな酸が味覚のバランスを整えます。青大根の辛味は、ワインのフレッシュな果実味をさらに引き立て、1+1が3にも4にも膨らむペアリングへと昇華。樽香と果実香、魚介とバター、山と海、日本の南北──複数の対比軸が“調和”という一点に収束します。


SUNTORY FROM FARM「登美 2019」

「登美 2019」は、標高500~600mの自社畑で収穫したプティ・ヴェルド主体のアッサンブラージュ。ブラックベリーやブルーベリー、リコリス、カカオ、スミレ、そしてフレンチオーク由来のモカやクローブのニュアンスが層を成し、14ヵ月の樽熟成が生むシルキーなタンニンが魅力です。

A Taste of Japan Spirits with GOSENJAKU 鹿肉
■料理■ 鹿肉のウェリントン フィユタージュショコラ/黒ビールのペリグーソース
メインディッシュは北アルプスに敬意を表し、“森”をテーマにした鹿肉のウェリントン。低温でロゼに仕上げた鹿ロースの周りを、カカオ分70%のビターチョコレートを忍ばせたフィユタージュで包み、外はサクサク、中はしっとり。黒ビールとマデラ酒で煮詰めたペリグーソースにトリュフを散らし、大地の香りを加えました。付け合わせは根セロリと黒ニンニクのピュレ。土壌を思わせる滋味と仄かな甘みが、鹿肉とソースを優しくつなぎます。

鹿肉の鉄分とワインの溶け込んだタンニンが結びつき、チョコレート入りのフィユタージュがカカオ&樽香をトーンオントーンに増幅。黒ビールソースのロースト香は、ワインのトースティな要素と共振します。さらにプティ・ヴェルド特有の紫系フローラルが、トリュフや黒ニンニクの“森のアロマ”を上書きし、複雑味を幾重にも重ねてくれます。

「和のおもてなしを宿すフランス伝統料理」と「日本ワインのフラッグシップ」という異文化の邂逅。そのクロスオーバーこそが、今宵のテーマ“A Taste of Japan Spirits”の核心です。ぜひゆっくりと時間をかけ、温度変化によるワインの開きとパイ生地のバター香の変化を感じるペアリング。グラスの中に“上高地の夜が深まる音”までもが溶け込んでいくことでしょう。


梅リキュール「星子 2024」

ウォッカベースの梅リキュール「星子」。和歌山産の完熟南高梅を年1回だけ仕込み、無添加・単純濾過で造るプレミアムリキュールです。梅のフレッシュな酸、蜂蜜のような自然な甘み、そしてクローブ等のスパイスが織り成す夜のアロマ。アルコール度数は控えめながら、後味に心地よいビターを残すことで、甘味を引き締める役割も担います。

A Taste of Japan Spirits with GOSENJAKU デザート
■料理■ あんこ入りクレームダンジュ 赤しそのソース/スペキュロスのアイスクリーム
フィナーレは、“和洋折衷スイーツ”の真骨頂。フレッシュチーズのふわりとした口溶けが魅力のクレームダンジュに、北海道産小豆の粒あんを忍ばせ、表面に赤しそのソースを薄紅色のヴェールのように重ねました。横にはシナモンやクローブが香るスペキュロスのアイスクリーム。フランス伝統のビスケットをアイスに仕立てることで、温度とテクスチャーのコントラストを演出しています。

クレームダンジュの軽やかなミルキーさと粒あんの和の甘さに、星子の酸味がキュッと輪郭を与え、赤しそのハーバルな香気とスパイスのアクセントが見事に重なります。スペキュロスアイスのシナモン、クローブ──これらはリキュールに潜むスパイスと完全にハモり、まるで“香りのリレー”が皿からグラスへ、そして空気へと連続していくようです。

甘味・酸味・スパイス・ハーブ──四つ巴のハーモニーの先に現れるのは、どこか懐かしくも新しい「日本流アペリティフ」。まるで星が降る上高地の夜空をそのままリキュールに閉じ込めたかのような余韻を感じます。


五千尺ホテル上高地でしか味わえない一夜限りの体験

A Taste of Japan Spirits with GOSENJAKU 大槻副支配人

今回の7皿7杯、グラスの中には「水・土地・職人・歴史・革新」、そして何より「物語」が注がれていました。北海道の海、大分の丘陵、山梨の斜面、和歌山の梅林、そしてここ信州・上高地。日本列島をジグザグに縫うテロワールの旅路を、わずか数時間で体験していただきました。

100年以上前、五千尺ホテルは「旅人が自然の中で五感を解放できる場所」として誕生しました。私たちの使命は、ここに滞在される皆さまの日常と非日常をつなぐ“媒介”となること。今回のディナーは、その思いを「酒と食」という最もプリミティブな手段で表現した試みでした。グラスを傾け、皿を囲み、ともに笑う。そんなシンプルな行為が、“日本の風土と文化”への敬意と“未来への好奇心”を同時に呼び覚ましてくれたのではないでしょうか。

“次の一杯”はどこで誰と味わうのか。ぜひ今夜の思い出を胸に、再び五千尺ホテル上高地へお帰りください。
ご参加いただきました皆様、誠にありがとうございました。

次回の開催は9月27日 ”Nature’s Harmony : Natural Wine meets GOSENJAKU”

次回のテーマはナチュラルワイン。
自然の美しさと調和する山岳リゾートにある五千尺ホテル上高地で2回目を迎えるスペシャルディナーです。現代のオルタナティブトレンドの頂点に立つナチュラルワインと、日本の美しい風土を反映した五千尺キュイジーヌの融合をお楽しみください。
ディナーでは「ナチュラルワインの最高峰」と呼ばれるものをソムリエが厳選いたします。料理は特別なナチュラルワインに合わせて、この日のためだけに考案する特別メニュー。五千尺キュイジーヌとのペアリングによって、新たなワインのメインストリームをご体感ください。


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