2025.07.10/五千尺ホテル上高地/五千尺ホテル上高地 ホール
上高地×日本酒・ワイン・焼酎ペアリング|『A Taste of Japan Spirits』完全レポート
2025年6月14日(土)開催 五千尺ホテル上高地2025最初のスペシャルディナー
北アルプスの雪解け水がせせらぎとなる初夏の上高地。五千尺ホテル上高地では、一夜限りのスペシャルディナー「A Taste of Japan Spirits with GOSENJAKU」が開催されました。
テーマは「日本の酒と五千尺キュイジーヌ」。本記事では、イベントで供された日本酒・焼酎・日本ワインと五千尺キュイジーヌのペアリング体験をガイドとして詳しくレポートします。
上高地の大自然で味わう “日本の酒” ペアリング体験
日本では古くから日本酒や焼酎など独自の酒文化が根づいてきました。最近では、日本人の匠の技が生み出す日本ワインも、品質と味わいが世界中から注目を集めています。
上高地は日本を代表する山岳リゾートです。年間を通して多くの人々が訪れ、その美しい自然と静かな環境が多くの旅行者を惹きつけています。
今回のスペシャルディナーは、上高地の絶景とともに、日本ワイン・日本酒・焼酎の最高峰を楽しむ贅沢な体験となりました。
小浜料理長×ソムリエ厳選 “日本の酒”7種7皿 完全ガイド
前半4皿&4杯──“水と森”が導く序章
グレイス ブランドブラン エクストラブリュット 2016
創業1923年、日本固有品種〈甲州〉のポテンシャルを世界に知らしめたグレイスワイン。このブランドブランはシャルドネ100%、全房圧搾、フレンチオーク発酵、84ヵ月の瓶内熟成が生む極上の泡です。
ブランドブラン特有のレモンイエローときめ細かな泡。グラスからはレモンピール、青リンゴ、焼き立てブリオッシュの香り。瓶熟84カ月がもたらす深い蜜香が寄り添います。
ペアリング料理:カラスミとアプリコットバターのタルトレット/稚鮎のそば粉フリット/ウニとイクラのポレンタ
3種のアミューズは、塩味(カラスミ)、苦味(稚鮎)、旨味(ウニとイクラ)のバランスが特長です。シャルドネの酸とトースト香、泡のクリーミーな舌触りが多彩な味覚をまとめ、心地よいスターターとなります。
カーブドッチ アルバリーニョ ルノー
“新潟ワインコースト”の先駆。アルバリーニョは山形と新潟のブドウをブレンドし、“北”のテロワールを表現。桃や柑橘、潮風のミネラル感が特徴的です。
ペアリング料理:アジのグリエ 胡桃味噌/長谷川農園マッシュルーム
炭火でグリエしたアジの皮は香ばしく、脂乗りも抜群。ナッティな胡桃味噌ソースが旨味を深め、有機マッシュルームの香りが森を感じさせます。
アルバリーニョは桃や林檎、爽やかな柑橘、潮っぽいミネラリティが、アジや味噌の風味と抜群に調和します。
八丈興発「麦冠 情け嶋」ハイボールスタイル
流人・丹宗庄右衛門がもたらした焼酎文化を受け継ぐブランドの最高峰「麦冠」。常圧蒸留による麦の甘香とビターキャラメル、火山灰土壌のミネラルが魅力です。
ペアリング料理:剣先イカ 夏みかんのラビゴットソース
剣先イカは湯引きで甘みを引き出し、夏みかんと香味野菜の爽やかマリネ。ソーダ割の麦冠情け嶋はイカの甘みと夏みかんのビターにベストマッチ。
麦の甘み・苦味と、イカ・夏みかんの旨味や柑橘オイルの余韻を心地よく包みます。
甍酒造「銀紅」無濾過生原酒
2024年誕生、北アルプス麓の新星・甍酒造。“硬度7”の超軟水と地元米の透明感。生原酒ならではのガス感とジューシーな米の旨味が炸裂します。
ペアリング料理:リードヴォーのムニエル 牡丹エビのコンフィ 春菊ソース
仔牛リードヴォーのムニエルに牡丹エビの甘み、春菊の苦味が加わり多層的な味わい。「銀紅」は林檎や白桃の香り、微細な発泡。やわらかな米の甘みと酸がリッチなリードヴォーやエビ、春菊を包みます。
蔵元直送の特別ロット。無濾過生原酒のフレッシュさで前半4皿をドラマチックに締めくくりました。
後半3皿&3杯──クライマックスへ
安心院葡萄酒工房「安心院ワイン シャルドネリザーブ 2023」
大分県安心院町産、手摘みシャルドネで造られた特別なワイン。新樽100%の発酵・熟成。パイナップルやマンゴー、白桃のトロピカルな香り。バニラやトーストの甘い香りも印象的です。
ペアリング料理:ホッケのポワレ しらすとエスカルゴバターのソース/青大根のエチュベ
脂の乗った北海道産生ホッケをカリッとポワレ。しらすやエスカルゴバターの磯とハーブ、バターの芳醇さが重なります。青大根の辛味もアクセント。
ホッケ脂とバターのコクが、ワインのトースト香や伸びやかな酸、果実味で引き立ちます。
SUNTORY FROM FARM「登美 2019」
標高500~600mの自社畑より。プティ・ヴェルド主体。ブラックベリーやブルーベリー、カカオ、スミレ、モカやクローブの層。豊かな果実香と樽熟成のシルキーなタンニンが楽しめます。
ペアリング料理:鹿肉のウェリントン フィユタージュショコラ/黒ビールのペリグーソース
低温ロゼの鹿ロース、カカオ70%のチョコを忍ばせたフィユタージュで包み焼き。黒ビールとマデラ酒のソース、トリュフや黒ニンニクが織りなす“森”の香りで仕上げています。
鹿肉の鉄分とワインのタンニン、チョコ&樽香、複雑な香りの重なり。和のおもてなしと日本ワインの旗艦がクロスオーバーしたペアリングです。
梅リキュール「星子 2024」
和歌山産完熟南高梅を使い、ウォッカベース・無添加で仕込む梅リキュール。梅の酸、蜂蜜の甘み、クローブなどのスパイスが香ります。
ペアリング料理:あんこ入りクレームダンジュ 赤しそのソース/スペキュロスのアイスクリーム
ふわりと軽いクレームダンジュに北海道産あんこを忍ばせ、赤しそのソースで彩り。シナモンやクローブ香るスペキュロスアイスが添えられます。
クレームダンジュのミルキーさ、あんこの和の甘さ、星子の酸味、ハーブやスパイスの香りが交差。「日本流アペリティフ」とも呼べる、主役級のデザートペアリングです。
五千尺ホテル上高地でしか味わえない一夜限りの体験
7皿7杯、それぞれのグラスの中には「水・土地・職人・歴史・革新」、そして「物語」が詰まっていました。北海道の海、大分の丘陵、山梨の斜面、和歌山の梅林、信州・上高地――。数時間で日本列島を巡る壮大なテロワールの旅でした。
五千尺ホテルは100年以上前、「旅人が自然の中で五感を解放できる場所」として誕生しました。私たちの使命は、お客様の日常と非日常をつなぐ“媒介”となることです。
今回のディナーは、「酒と食」を通じ、感性を解き放ち、“日本の風土と文化”への敬意と“未来への好奇心”を呼び覚ましました。皆さまどうぞ、また五千尺ホテル上高地でお会いしましょう。
ご参加いただきました皆様、誠にありがとうございました。
次回の開催は9月27日「Nature’s Harmony : Natural Wine meets GOSENJAKU」
次回のテーマはナチュラルワインです。上高地の自然に囲まれた五千尺ホテル上高地で2回目となるスペシャルディナーを開催いたします。
世界中のトレンドであるナチュラルワインと、日本の美しい風土を映した五千尺キュイジーヌの特別ペアリング。ソムリエ厳選のナチュラルワインに合わせ、シェフの特別メニューをご用意します。
ディナーとペアリングで、新しいワインの魅力をぜひ体験してください。
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